沖伝

いつか子孫が読んでくれたら嬉しい

長男の出産

不公平にならないよう長男の出産の時も書く。

長女の出産からおよそ2年。世の中はコロナにより大いに変化した。

長女出産からしばらくして中国武漢にてコロナウィルスが確認。それからもテレビでは、屋形船の乗客コロナウィルス感染!奈良のバスガイドがコロナ!など局地的な報道であり遠い存在だった。

 


しかし長男出産のころ、都道府県によってはコロナ感染者が1日で千人を超える日も珍しくなく、マスクは服のような存在になっていた。

 


長男の出産に立ち会えるか否かはコロナウイルスの状況次第であったが、幸い出産間近になると状況は落ち着きを見せ始めた。

また妻と沖が妊婦とその夫ということで、出来立てのワクチンを接種できたのも一助となり、直前のコロナ検査結果が陰性であることを条件に立ち会い許可と相成った。

そして出産日、共にコロナ陰性で立ち会いが叶った。

 


長女の時よりも嫌なドキドキはなく進んだ。看護師は力の入れ方がとても優秀だと妻を褒めちぎっていた。

長女の時よりも何時間も短縮され長男は産まれた。

沖は改めて妻に感服した。

本人曰く長女の時より痛かったとのことだが、最初から最後までマスクを外さなかった(外していいと言われていたのにだ!)。

見上げた忍耐力精神力。

もし3人目が出来たらさすがに無痛分娩にしたいと笑っていた。

 


こうして無事長男が出産されたが、沖は不安を抱えていた。

 


それは長女と同じように愛せるかという点だった。

このことは長男妊娠前から妻と話していた。

沖は2人目が出来て、長女が寂しく思ったり、疎外感を感じるようになったりするのではと非常に心配していた。

沖は長女に無我夢中で一点集中だったのだ。

 


2人目を神から授かり、男の子と分かった途端、さらに不安がました。

 


端的に言うと沖は男が嫌いだ。

男の人格や振る舞いは好きだ。

でも男の造形が本当に嫌い。

この世界で最も汚いと思う。

ゴツっとしたり、ウニョっとしたり、毛がモサっとしてるし、我ながら我の身体は汚く醜いと感じる。

とにかく男の身体を見たくも触りたくもないし、男に触られたくもない。

偶然に手が触れようものなら、自分の手さえも気色悪く思えてしまうのだ。

だから長男に対してどんな感情を持つのか全く予想がつかなかった。

 

 

 

現在、長男が4ヶ月の齢となる。

沖の日課は長男の手や頬に繰り返しキスをすること。

 


あの不安は杞憂に終わった。

なんとも愛らしい笑顔を見せる長男は長女のイヤイヤ期を超越する力がある。

自分以外のおちんちんを気持ち悪く思わないのは、初めてだ。


物理学で最も基本的な原則はエネルギー保存の法則らしい。この世界のエネルギーの総量は一定であるという法則だ。

 


この法則は愛には当てはまらない。

"この世界の愛の総量は常に増加する。右肩上がりで " by沖

ここに沖の法則を書き記す。

リアルでこういうことを言うと周りの人は吹き出して笑う。おふざけ者と思われている節があり、こんなキザなこともキザとは受け止められず、沖がまた馬鹿なこと言ってらと笑いを得て終わる。

 


沖も真面目に本気で書いているわけではないので、受け手が真に受けて気色悪がられることは心外だ。ブサイクなローランドと思ってくれればいい笑

 


話はそれたが、

2人目に生まれてきてくれたのが、男の子で良かったとさえ今は思う。

 


男として長男の30倍ほどの年数を生きている沖だ。長男には男としての知恵や経験を相続してやりたい。

 


ただ真っ先に伝えたいことは

願わくば子を産み育ててほしい。

この幸福は何物にも変え難いぞ。

 


無論、沖はいつか孫を見たいこと申し添えしておく。